当診療所の透析について

腎臓の機能と腎不全

腎臓の主な働きは次の６つがあります。
①老廃物（毒素）を尿として対外に排出する ②体内の水分や電解質（ミネラル）を調節する ③塩分と水分をコントロールして血圧を調節する ④赤血球を作る ⑤活性型ビタミンDを作り、骨を強くする
このように、体にとっては重要な働きをするのが腎臓です。その働きが低下することを腎不全と言います。特に、尿として排出する機能と電解質のバランスを整える２つの働きが急激に低下することを「急性腎不全」、3ヵ月以上腎機能が悪い状態が続くことを「慢性腎不全」と言います。腎不全になり尿から老廃物や水分が適切に排泄されなくなって、尿毒症・水分過多による心不全などの症状が出てくる危険性が高くなります。

人工透析治療は、低下した腎臓の一部の機能を人工的に補うために行います。ただし人工透析は生命を維持する治療で病を治す治療ではありません。一度開始すると永続的に行う必要があります。当診療所では最新の透析機器を完備して、最新の治療モード（オンラインHDFなど）に対応し、安全で安心していただける治療を続けております。

当診療所で行っている人工透析治療

当診療所では患者さまに最適な治療を行うため、施設見学や透析治療相談などで患者さまの健康状態や生活スタイル、
ご要望をお聞きしたうえで適切な治療法をご提案させていただきます。なんでもお気軽にご相談ください。

血液透析（HD）: 血液透析とは体外に取り出した血液を透析器(ダイアライザ)に通し、血液中の老廃物を除去して、血液をきれいにする治療法です。通常、病院やクリニックで行い、透析液や透析装置などを必要とします。一般的な治療の回数としては週3回で、1回4～5時間かけて治療を行います。わが国では透析患者さんのほとんどがこの治療を行っています。
腹膜透析（CAPD）: 腹部の臓器を包んでいる腹膜を透析膜として利用する方法です。腹腔内に腹膜透析専用の透析液を数時間入れておきます。血液中の老廃物は、透析液との間の濃度差(拡散)により、腹膜を通過して血液側から透析液側に移動します。その後、この老廃物を含んだ透析液を腹腔から排出させることにより血液をきれいにします。
オンラインHDF（血液濾過透析）: 血液透析に濾過を同時に行う血液濾過透析（HDF）という治療があります。補液に透析液を使用する治療をオンラインHDFといい、血液透析では除去しにくい低中分子蛋白物質を取り除くことができます。オンラインHDFの治療効果として、関節痛、かゆみ、不眠、イライラ感、むずむず脚症候群（レストレスレッグ症候群）、透析アミロイドーシスの軽減などがあげられます。
Ｉ-HDF（間歇補充型HDF）: Ｉ-HDFは濾過・補充を断続的に行うオンラインHDFです。透析中に一定間隔で少量ずつ補液を行いながら透析・濾過を行う方法で、末梢循環が改善し血圧が安定します。
リクセルによるβ2-ミクログロブリン吸着療法: アミロイドが身体のあちこちに沈着して起こるアミロイドーシスは難治性透析合併症の1つであると言われています。リクセルとは、このアミロイドの原因物質であるβ2-ミクログロブリンの吸着除去を目的とした吸着カラムのことです。手根管症候群の手術の既往があり、一定の条件を満たした患者さまについては、このリクセルを取り付けて透析を行っています。

人工透析治療の流れ

連携医療機関からのご紹介やご自身・ご家族でお探しいただき
当診療所の施設見学・透析治療相談にご来所いただく
患者さまの健康状態や生活スタイル、ご要望をお聞きしたうえで適切な治療法をご提案。
当診療所の設備をご見学。
小野山診療所での人工透析治療を行うことを決定
当診療所で人工透析治療を始めるにあたってのご説明や通院治療時間、
送迎の必要の有無などについての確認。今後の生活や食事療法などのご相談。

通院時の流れ

来 所: 透析開始予定時間にご来所ください。
3Fのロッカールームで透析治療を受けやすい服装に着替えていただきます。着替えずに透析室へ入っていただいても結構です。腕や手首を締め付けないもの(ゆったりとした腕の出しやすい服装)であれば、どのような服装でも問題ありません。早めに来られた方は、控え室でお待ちください。

事 前 診 断: 透析室に入られたら、ご自身のベッドでお待ちください。
透析を始める前に体調の変化などないかスタッフがお聞きし、必要な場合は医師の診断を受けていただきます。

透 析 治 療: 体内から血液を取り出す針と、きれいな血液を体内に戻す針を刺し透析治療が始まります。

透析治療時間は症状によって異なりますが、おおむね3～5時間程度です。備え付けのモニターでテレビを視聴いただくなどしてお過ごしください。スタッフが定期的に患者さまの状態や監視装置の点検を行い、安全確保に努めます。

終 了: 透析の時間が終了しましたら、体内へ血液を戻し、透析治療が終了します。
終了後、スタッフが体調の変化などないかお聞きします。体重測定をして退室していただきます。 送迎車をご利用の方は1階の待合でお待ちください。

ご 帰 宅: お体がご不自由な患者さまには診療所出口まで介助しお見送りいたします。公共交通機関では来院しにくい患者さまを対象に、無料送迎を行っています。お気軽にお声がけください。無料送迎について

患者さまによって異なりますが、透析時間が4時間の場合、所要時間は約5時間です。
透析治療中のお食事についてお弁当や軽食をお持ち頂き、待合室でお食事していただけます。また、ご希望の方には当院でお弁当もご用意いたします（有料）。